胃腸炎では、嘔吐したり下痢したりと辛い症状が数日続きます。お腹が痛くなることもあります。ウイルスや菌が原因になりますが、「食中毒」という表現は正しくありません。原因となる病原体は食事中に含まれているとは限りません。日常生活の中で手で触る様々なところに病原体が付いている可能性があり、それを自分の手で拾ってきて口に入れているという可能性も非常に高いのです。もちろん食べ物の中に入っていることもあります。同じものを食べた人の多くが同じ症状になっている場合は食中毒かもしれません。少しでも胃腸炎を防ぐために普段から手洗いをしっかりとおこなう習慣を身に着けておいてください。

ところで下痢が続いて食事もとれなくて脱水気味になってしまうことが多い胃腸炎ですが、水分補給が重要です。日本では水分補給等とすぐに点滴での水分補給が簡単に行われますが、実は飲める場合は口から飲んで自分の腸で水分を吸収させる方が早く治ることがわかっています。塩分と糖分が入ったものを飲むことで下痢も早くおさまりますし、世界保健機構WHOは経口補水を強く推奨しています。

上嶋内科・消化器科クリニック