上嶋内科・消化器科クリニック News

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2017.01.07更新

風邪、インフルエンザ、ウイルス性胃腸炎が流行っています。マスク、手洗い、うがいなどしっかり予防していただきますようお願いいたします。

さて今回は時々診察中に質問される内容についていくつかご説明いたします。

①「風邪なのに抗生物質だしてもらえないんですか?」

のどの痛みや鼻汁、咳などいくつもの領域で症状がでているものは典型的な風邪で、これはウイルス性です。例えばのどにも鼻にも症状がなく咳と痰だけしかない、という一つの領域のみの症状が続く場合はウイルス性ではなく細菌性という可能性が出てきます。ウイルスを消す薬はありません。細菌を消す薬は抗生物質です。ウイルスの病気である風邪に対して細菌を消す薬である抗生物質を飲む(あるいは点滴する)というのは明らかにおかしなことです。ウイルスと細菌は例えば人間とパソコンくらい違います。人間はケガをしたらバンドエイドを貼ることがありますがパソコンが壊れてもバンドエイドは貼りません。これと同じようなことです。明らかにウイルス性の風邪の場合は、全く無関係な抗生物質を飲むことで体内に耐性菌という強い菌を生み出すリスク、体内にいる必要な菌を減らしてしまうことで新たな病気を生み出すリスク、不要な薬を飲むことによって生じる副作用のリスクなどがあり、抗生物質は飲むべきではありません。何よりも病気と無関係な薬を飲むという普通ならありえないことをするべきではありません。風邪をきっかけに副鼻腔炎(いわゆるチクノウ)になる場合がありますが、これも基本的にはウイルス性です。細菌性の副鼻腔炎を合併することもありますが、その頻度は2%以下であるとされています。

②「風邪を早く治したいので注射してください。」

まず、風邪に効く注射薬は世の中に存在しません。そもそも医師は自分が風邪をひいたときに注射や点滴を受ける人はいません。ビタミン剤を注射してほしいと言われる方もおられますが、ビタミン剤を注射しても、アッという間に尿中に排泄されてほとんど体内で利用されませんし、そもそもビタミン注射で風邪が早く治るという研究結果は出ていません。昔は解熱剤の一種を注射していた時代もありますが、現在注射の解熱剤は特別な場合を除いて用いるべきではないという指針が出ています(副作用が多いので)。解熱剤を注射すると熱が下がりますからいったん元気になったように感じるわけですが、飲み薬の解熱剤の方がしっかり効く場合が多いので、熱で体がつらい場合は解熱剤を内服して楽になりましょう。

③「胃腸炎は点滴をしないといけないんじゃないですか?」

ウイルス性胃腸炎で、それほど吐き気が強くなくて口から水分を飲める人は、少しずつ口から水分を補給して(理想的には経口補水液と言われるものがいいのですが、普通のスポーツドリンクでもいいです)自分の腸から水分を吸収させる方が胃腸炎自体が早く回復することが生理学的に示されており、WHO世界保健機構も口から水分を補給することの大切さを発表しています。もちろん吐き気が強くて水分を飲めない人は点滴で水分補給を行う必要があります(点滴は治すためものではなく水分補給の手段にすぎません)。体調によって点滴が必要かどうかがかわってきます。当院でも点滴が必要な(自分で水分摂取ができない)場合は、積極的に点滴しています。飲めるようになったら口から水分補給を行い、荒れてしまった消化管粘膜を早く正常化させるために飲み薬を頑張って飲むようにしましょう。

投稿者: 上嶋内科・消化器科クリニック(心斎橋・四ツ橋)

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