消化器・肝臓疾患について

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消化器・肝臓疾患について

代表的な消化器 肝臓疾患について

 

逆流性食道炎

逆逆流性食道炎は生活スタイルの欧米化や、胃にヘリコバクター・ピロリ菌が感染している人が少なくなってきたこととともに増えています。

胸やけやげっぷ、胃のあたりの痛み、飲み込んだときにひっかかる感じ、のどの違和感、咳や耳鳴りなど色々な症状が出ます。

診断は症状と内視鏡所見で行います。

胃酸の食道への逆流が原因であり、胃酸分泌を抑制する薬剤を使うことが多いのですが、満腹になるまで食べないこと、食後すぐに横にならないこと、アルコールや刺激物・脂肪分の多いものを控えること、など生活習慣の中で改善できることは改善しなければ薬がなくなると症状が再発します。

患者さんによっては漢方薬が有効なこともあります。

 

食道胃静脈瘤

食道胃静脈瘤は肝硬変症の合併症で、症状は全くありませんが無治療で経過すると静脈瘤破裂による出血をきたし死亡することがある病気です。

長年肝臓病を患っている人は一度内視鏡検査を受けておくべきです。

現在では静脈瘤が破裂する前に内視鏡を用いてつぶしておく治療が一般的です。

 

慢性胃炎

日本人の慢性胃炎のほとんどは胃へのヘリコバクター・ピロリ菌感染によるものです。

慢性胃炎が持続すると胃癌の発生率が上昇すると言われています。ヘリコバクター・ピロリ菌は内服薬を用いて除菌することができますが、現在の保険診療ではまず内視鏡検査を行いピロリ菌による慢性胃炎があるかどうかを確認してピロリ菌の検査を行ってからしか除菌できません。

ピロリ菌の除菌を行えば胃癌の発生率が3分の1に低下するというデータがあります。

 

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃のあたりの痛みや吐き気を伴うことが多いですが、はっきりした症状がない人もいます。

潰瘍から出血して血液が大便に混ざると真っ黒の便になります。
胃酸分泌を抑制する内服薬で治療します。
出血している潰瘍の場合は内視鏡的に止血を行いますが、血管造影の手技や開腹手術を行う場合もあります。

ほとんどがヘリコバクター・ピロリ菌が原因とされていますので、ピロリ菌の除菌も行うべきです。ピロリ菌以外の原因としては、最近よくつかわれるアスピリンや鎮痛薬が挙げられます。

ピロリ菌に感染している人は前もって除菌しておくとアスピリンや鎮痛薬による潰瘍がある程度予防できるとのデータもありますし、胃酸抑制の薬で再発を防げるとも言われています。

 

大腸ポリープ

大腸にできるいぼのような病変をポリープと言います。大腸ポリープのほとんどは腺腫という良性腫瘍です。

腺腫は自然に小さくなったリ消えることは少なく、徐々に大きくなることがあり癌になるものがあります。
検査で発見されたポリープのうち5mm以上のポリープで腺腫と考えられるものは切除した方が良いというのが一般的な考え方です。

ポリープがすでに癌化していても癌が粘膜内にとどまっている段階であれば、内視鏡的で切除できます。
大腸ポリープで症状が出現することはまずありません。非常に大きなポリープの場合にはポリープから出血することもあります。

大腸がん検診で行われる便潜血検査で陽性となった場合には大腸内視鏡検査を受けることをお勧めいたします。

 

食道癌

食道癌のリスク因子と考えられているのは喫煙と飲酒です。
とても熱いものを飲んだり食べたりすることでも食道癌が増えるとの指摘もあります。

食道癌の患者さんの5分の1は無症状であり健診で偶然発見されます。

自覚症状としては、食べ物を飲み込んだときに胸の奥が痛くなる、飲み込んだときにしみるように感じる、飲み込んだときに食物がつかえる感じがする、などが多いです。

内視鏡検査を行えば食道癌があるかどうか判断できます。

 

胃癌

統計では胃癌は男性では肺癌に次いで2位、女性では子宮癌に次いでやはり第2位の死因で、消化器癌の中では最も多い死因です。

早期の場合症状はないことがほとんどですが、進行すると胃癌から出血したり、胃のあたりが痛くなったり、食欲が低下したり、貧血になったりすることが多いです。

内視鏡検査でほとんどの胃癌は診断することができます。

胃癌の原因は、ヘリコバクター・ピロリ感染、食塩の過剰摂取、焼肉・焼魚、喫煙などが挙げられます。
ピロリ菌感染の減少によって日本人の胃癌は減少していますが、日本人の食生活を考えるとまだまだ気をつけなければいけないと思われます。

 

大腸癌

大腸癌は近年増加しており、大腸癌による死亡者数は日本のがん死亡第2位の胃がん死亡数にせまっています。

大腸癌は50歳代から増えはじめ、60~70歳代でピークになりますが、若い人にも増えているため年齢に関係なく便潜血など定期健診を受けることが大切です。

大腸癌は早期発見すれば完治が望めます。早期の場合はほとんど症状がでません。進行すると便に赤い血液が付着したり便秘や下痢を繰り返したり、腹痛を自覚する人もおられます。

大腸癌の増加は近年の食生活の欧米化が原因であるとも言われます。

食物繊維不足による便秘、腸内環境の悪化、脂肪摂取の増加、喫煙と飲酒などが原因として挙げられますが、大腸癌患者の10人~20人に1人には、同一家系内に大腸癌患者がいると言われており、遺伝性も指摘されています。また運動不足で内臓脂肪の多い人、糖尿病の人、潰瘍性大腸炎の人も大腸癌のリスクが高くなります。

 

膵臓癌

膵臓は胃の後ろにある細長い臓器で、主な働きは、消化液をつくることと血糖を調節するホルモンをつくることです。
膵臓は体の中心部にあり癌が発生しても非常に見つけにくいために、早期発見が難しい癌です。

膵癌の危険因子として膵癌の家族歴、糖尿病、肥満、慢性膵炎、遺伝性膵炎、膵管内乳頭粘液性腫瘍、喫煙などが挙げられます。急に糖尿病になったり、血糖コントロールが悪化した場合には膵癌が原因ということもあります。

膵癌に特徴的な自覚症状はありません。

胃や背中が痛い、食欲がない、といっても他の病気でも同様の症状が出ることが多いのです。癌の存在を確定するには超音波検査やCT、MRIなどが必要になります。
膵癌で上昇しやすい腫瘍マーカーがありますが膵癌ではなく他の原因でも上昇したり、早期の場合には上昇しないことも多く、早期発見には役立ちません。

治療は、手術可能な場合は手術で癌を切除するのがよいですが、手術できないあるいは手術しない方がよいという場合も多いのが現状です。

 

胆石症

胆嚢は肝臓で作った胆汁という消化液を蓄え、濃縮します。

食事刺激によってこの胆汁が胆管から十二指腸に流れます。このどこかに結石ができることがあり、胆嚢にできた石を胆嚢結石、胆管にできた石を胆管結石といいます。

石の成分によってコレステロール結石と色素結石に分けられます。

近年の食生活の欧米化によって胆石保有率が増加し、中でもコレステロール結石の割合が増加しています。日本人の胆石保有率は15%前後(7人に1人)と推定されています。

胆嚢結石は半数以上の人は症状を自覚しませんが、発作が起きると右上腹部や右肩や背部に痛みを感じることがあります。胆嚢炎を合併すると発熱します。胆管結石では無症状の人は少なく、上腹部の痛みや黄疸、吐き気、発熱などの症状がでることが多いです。
胆管結石による胆管炎ではショックや意識障害を起こし生命に関わるような状態なることもあります。

超音波検査が最も簡単でかつわかりやすい検査です。

胆石症の治療には薬物療法と内視鏡や手術による治療があります。

胆嚢結石でコレステロール結石の場合には胆石を溶解する薬剤を長期間服用すれば結石が溶けてなくなることもありますが、成功率はそれほど高くありません。
手術では胆石だけを取り除くことはできないため、胆石を含んだ胆嚢ごと摘出します。
最近では腹腔鏡手術という傷の小さな術後回復の早い手術が主流となっています。

胆嚢を摘出しても胆汁は肝臓で作られ常に流出しており、時間の経過とともに胆管が太くなり胆嚢の代わりを果たすようになるため日常生活にはほとんど支障はきたしません。

胆管結石の場合は胃カメラのように口から内視鏡を入れて胆管内の結石を除去する治療が一般的ですが、内視鏡治療が困難な場合には外科的手術も行われます。

 

C型肝炎

C型肝炎ウイルスHCVは、1989 年に発見され、従来非A 非B型肝炎と診断されていた患者さんの9 割以上、アルコール性肝障害と診断されていた患者さんの半数以上がHCV による肝障害であることがわかりました。

現在、HCV 感染者は日本で150 万~200 万人と推定されています。HCV 感染が一旦成立すると、健康成人への感染であっても、急性の経過で治癒するものは約30%であり、約70%はHCV 感染が持続し慢性肝炎へと移行します。慢性化した場合ウイルスの自然排除は稀であり(年率0.2%)、HCV 感染による肝臓の炎症の持続により肝線維化が引き起こされ、肝硬変や肝細胞癌へと進展することがあります。

日本では1992 年からC 型肝炎に対するインターフェロンIFN 治療の一般臨床での使用が開始され、その後IFN 治療によってHCV RNA の排除に成功した患者さんでは、肝炎が鎮静化し肝病変進展や肝発癌が抑制されることも明らかになりました。肝病変が進行しないうちは自覚症状はほとんどなく、血液検査でウイルスの有無を調べる以外に感染しているかどうかを判断する方法はありません。

C型肝炎に対しては、年齢、ウイルスの遺伝子型やウイルス量に応じて最新の治療を行います。

現在では難治性のserotype 1型・高ウイルス量の患者さんに対しては新規プロテアーゼ阻害薬のシメプレビルを用いた24週間の3剤併用療法(ペグイントロン+レベトール+シメプレビル)が第一選択です。シメプレビルを用いた3剤併用療法では、90%以上の患者さんが治癒(ウイルスがいなくなる)するとされています。

Serotype 2の患者さんは24週間のペグインターフェロン単独またはペグインターフェロン+レベトール併用療法で治療します。うつ病の既往がある患者さんや高齢の患者さんの場合は、うつ病にも影響が少ないとされており、その他の副作用が少なく安全に使用可能と言われているインターフェロンβを用いて、インターフェロンβ単独療法またはインターフェロンβ+レベトール療法も行われます。

主に日本で行われているインターフェロン少量長期投与は、投与開始後にALTが正常化する患者さんでは発癌抑制効果があるとされています。

最近、もともと持っている他の病気や副作用のためにインターフェロン治療ができない患者さん、あるいはインターフェロン治療を過去に受けたが無効であった患者さんは、飲み薬だけで非常に高い確率でC型肝炎が治癒するような治療法が開発され行われています。近い将来にはほぼすべての患者さんがインターフェロンを用いずに飲み薬だけでC型肝炎が治る、そのような治療が第一選択となると予想されます。

前述しましたように、C型肝炎は病状が進行するまでは自覚症状がないことが特徴です。過去に行われた輸血や、昔の医療行為が原因で感染してしまった患者さんが多いと言われています。ウイルスに感染すれば自然にウイルスが体内から消失することは少なく、ウイルスが体内にとどまり「慢性化」することが多いのですが、慢性化した患者さんでも血液検査ではASTやALTという肝酵素が正常の場合があります。病状が進行すると肝硬変になることがあり、肝臓癌ができてしまうこともあります。

健診や人間ドックあるいは当クリニックにて一度C型肝炎がないかどうかをチェックされることをお勧めします。

 

B型肝炎

C型肝炎がインターフェロン治療でウイルスを体内から排除できるのに対して、B型慢性肝炎の場合は完全なウイルス排除は困難ですが、ウイルスがおとなしい状態になるように導きウイルス量を低下させることで病状を進行しないようにすることは可能です(急性肝炎の場合はウイルスはほとんどの場合体内から自然に排除されます。)

それには年齢・ウイルスの遺伝子型・ウイルス量・各種ウイルスマーカーを組み合わせて病状を正確に評価する必要があります。
「もう抗体ができているから心配ないと言われた」と言って通院するのをやめてしまった患者さんがたくさんおられますが、そのような場合の「抗体」とはHBe抗体を指していることが多く、HBe抗体が陽性であるからと言って安心することはできません。

HBe抗体陽性の患者さんのうち20~30%は自然にウイルスが再度増殖して肝炎が持続し徐々に肝硬変に向かって進行してしまうと言われます。また、比較的若い患者さんの場合、自分の体に備わっている免疫力でウイルスを排除しようとする反応が生じることが多いのですが、この反応が成功すればウイルスはおとなしいタイプへと変化し徐々にウイルス量が減少していきます。
この反応が生じている際にはAST、ALTが上昇します。この反応は望ましい反応であるにも関わらず、AST、ALTが上昇しているという理由だけでAST、ALTを低下させるための薬剤を投与されてしまっている患者さんも今までたくさん診てきました。このような望ましい反応が成功する可能性が高い若年の患者さんの場合には、AST、ALTが上昇していてもそのまま経過観察する、あるいはインターフェロンを用いてその反応を後押しする必要があります。

B型肝炎に対して用いられる薬剤は主にインターフェロンと核酸アナログですが、これも選択を誤ると最善の結果を得ることができません。

高血圧の患者さんが服用する降圧剤は飲んでいる間は血圧は安定しますが飲むのをやめると血圧が急に上昇します。核酸アナログも同様で、薬でウイルスを抑えることは可能ですが、内服を中止すると多くの場合ウイルスが急激に増加してきます。そのためやめずに飲み続けることが必要ですが、現在核酸アナログの中で第一選択として用いられるエンテカビルやテノホビルは副作用もほとんどなく、エンテカビルやテノホビルに対する耐性ウイルスの出現も極めて低頻度です(1%/3~5年以下)。正しい判断のもとでエンテカビルやテノホビルを服用するのが最善であると判断された患者さんは心配せずに服用していただきたいと思います。

インターフェロンは主にHBe抗原陽性の主に若年者に対して用いますが、患者さんの状態を考慮しHBe抗体陽性の人に使うこともあります。インターフェロン治療の目的はHBe抗原陽性の場合に、活発で増殖力が高いウイルスをおとなしくて増殖しにくいウイルスに変えて肝病変の進行を止めることです。
しかし、ただインターフェロンを注射すればよいというものではありません。B型慢性肝炎では自然経過の中で、身体に備わっている免疫の働きによって身体とウイルスとの戦いが生じその結果ALTが上昇しますが、身体の免疫力をうまく利用してインターフェロンを使用すると最も治療効果が高いことが分かっています。

インターフェロンは6ヶ月~1年間という決まった期間、週1回注射する薬剤ですので、計画的に用いることが出来ます。しかし高齢者の方やウイルス量が非常に多い人の場合インターフェロンは効果が得られにくいことも分かっています。先述した核酸アナログとインターフェロンを上手に組み合わせて使用する方法もあります。HBe抗体陽性の患者さんにインターフェロンを使う場合は、単純にウイルスを抑制し肝炎を鎮静化させることが目的となります。

このようにB型肝炎については一人ひとり病状が異なり、同じ年齢で同じ病気の患者さんでも選択すべき治療法が異なるということも稀ではないため、正しい考え方で多くの治療経験を有する医師が診療に当たるべきであると考えます。

 

肝硬変症

肝硬変とは、肝臓に炎症が持続した結果肝細胞が破壊され線維化が進行し肝臓が正常な機能を果たせなくなった状態のことをいいます。症状がなくほぼ通常の日常生活が可能な代償性肝硬変と、腹水や黄疸などが出現し日常生活に支障をきたす非代償性肝硬変に分けられます。肝硬変患者さんの多くはC型肝炎、B型肝炎、アルコール性肝障害が原因と考えられます。

アルコール性の場合は断酒以外に有効な治療法がないのが現状です。以前、肝硬変になるともう肝臓は良くならないと言われていた時代もありましたが、現在ではC型肝炎が原因の場合には、肝臓の力が残されている代償性肝硬変の場合はインターフェロン治療や飲み薬による治療を行いウイルスを排除できれば肝硬変が改善し発癌を抑制することが可能です。

B型肝炎が原因の場合にはウイルスの増殖を強力に抑制する核酸アナログ治療を行えば徐々に肝硬変が改善する場合が多くやはり発癌が抑制されることが分かっています。

分岐鎖アミノ酸(BCAA)製剤内服によって肝硬変患者さんの予後が改善することが数年前に日本で明らかになりました。そのため血中アルブミン値が低下してきた肝硬変患者さんは分岐鎖アミノ酸製剤を内服すべきだと思われます。

肝硬変患者さんは肝臓に発癌する危険性が高くなります。定期的に血液検査や超音波検査などの画像検査によって発癌していないかどうかを検査する必要があります。また肝硬変患者さんは食道や胃に静脈瘤という血管の瘤ができて破裂し大出血することがありますので、定期的に胃カメラを行い静脈瘤の状態をチェックすることも大切です。

 

炎症性腸疾患

大腸及び小腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患を炎症性腸疾患といい、長期に下痢、血便、腹痛などが続く原因不明の難病です。

残念ながら数日でよくなることはなく長期にわたり、良くなったり悪くなったりしながら長年症状が続きます。

具体的には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」があり、いずれも国が指定した難病特定疾患です。適切な治療をおこなえば通常の生活が可能ですが、病気の状態によっては通常の日常生活が困難になります。そのため専門家による適切な診断と治療が必要です。

 

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる原因不明の大腸の炎症性疾患です。

遺伝的要因と食生活などの環境要因などが絡み合って発病すると考えられます。症状として多いのは下痢と頻回な腹痛、排便時出血です。病変は肛門のすぐ内側の直腸から連続的に口側へ広がる性質があります。

発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性では25~29歳ですが、若年者から高齢者まで発症します。欧米では患者さんの約20%で家族に同様の病気の人がいると報告されています。

X線検査や内視鏡検査で診断を行います。治療は原則的には薬による内科的治療が行われます。しかし、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。薬による治療は、5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)、副腎皮質ステロイド薬、免疫調整剤、抗TNFα受容体拮抗薬インフリキシマブなどを病状によって使い分けます。血液中から異常に活性化した炎症の原因となる白血球を取り除くLCAP(白血球除去療法)やGCAP(顆粒球除去療法)という治療法もあります。

 

クローン病

クローン病とは小腸及び大腸の粘膜に慢性の炎症または潰瘍ができる原因不明の炎症性疾患です。

食事成分、異物、病原体などの侵入とそれに対する免疫系の異常な反応が原因と考えられています。

症状としては腹痛や下痢、血便、体重減少などです。口から肛門に至るまでの消化管のどの部位にも炎症や潰瘍が生じますが、小腸の末端部に病変が生じることが多く、非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)が特徴です。

発症年齢のピークは男性で20~24歳、女性で15~19歳です。瘻孔(新たな通り道ができてしまう)、狭窄(狭くなる)、膿瘍(膿がたまる)などの腸管の合併症や関節炎、虹彩炎、結節性紅斑、肛門部病変などの腸管外の合併症も多いのが特徴です。

X線検査、内視鏡検査で診断を行います。

治療は栄養療法と薬物療法を組み合わせた内科的治療が主体となりますが、完全な治癒は困難で症状が安定している時期(寛解)をいかに長く維持するかが重要となります。腸管の安静と食事からの刺激を取り除くことで腹痛や下痢などの症状や病変が改善すると言われていますが、いかに治療を工夫し通常の食生活を送ることができるようにするかが課題です。

そのために5-アミノサリチル酸薬(5-ASA)、副腎皮質ステロイド薬、免疫調整剤、抗TNFα受容体拮抗薬:インフリキシマブなどを適切に使用する必要があります。潰瘍性大腸炎と同様に血液中から異常に活性化した炎症の原因となる白血球を取り除くLCAP(白血球除去療法)やGCAP(顆粒球除去療法)という治療法もあります。内科的に治療できない腸閉塞、穿孔、大量出血などが生じた場合は手術を行います。

 

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